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提携事例8:日本のテレビショッピング大手
ジャパネットホールディングスとVACAN社の提携事例

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〜日本のジャパネットが米ペガサスが運用するCVCファンドから戦略投資の実行、
投資後にVACAN社との業務提携に成功〜

長崎スタジアムシティにおけるスマート観光ソリューションを共同開発

<概要>

株式会社ジャパネットホールディングスと日本のスタートアップであるVACAN(ヴァカン)は、2024年に「長崎スタジアムシティにおけるスマート観光ソリューション」の共同開発を開始しました。

この協業の主な目的は、観光客が快適かつ効率的に施設を利用できるようにすることで、地域経済の活性化を図ることでした。

VACAN(本社:日本・東京 )は経済産業省が選定する官民による支援プログラム「J-Startup 2019」[RI1] 選定企業です。IoT、AIを活用してレストラン街やカフェ、トイレ、観光地、避難所、投票所などあらゆる場所の空き状況を検知し、デジタルサイネージやスマートフォンを通じて情報を配信しています。[RI2] また空き状況[RI3] の可視化だけでなく、混雑の抑制・管理なども行っており、空き/混雑情報を起点としたムダな「待つをなくす」DXサービスを幅広く提供しています。

ジャパネットホールディングスは、テレビショッピングや通信販売を主軸とする企業グループで、地域振興や観光開発にも積極的に取り組んでいる企業です。同社は「世の中にまだ知られていない魅力的な製品やサービスを見つけ、それらを共に磨き発信していきたい」という想いをもとに、Pegasus Tech Venturesとともに75億円規模[P24] ※1のCVCファンドを組成し、イノベーション戦略を推進しています。[P25] [RI6] Pegasus Tech Venturesは2023年7月[RI7] にVACANをジャパネットに紹介し、投資を実行するに至りました。同時に事業シナジーの検証をすすめ2024年10月には長崎スタジアムシティにおけるスマート観光ソリューションの共同開発における戦略提携を発表しました。

 

 

<具体的な課題と解決策>

長崎スタジアムシティは、スポーツ観戦やショッピング、観光施設が集約された複合施設として開発されています。特に、サッカーやバスケットボールなどのスポーツイベントが頻繁に開催されることから[RI8] 、多くの観光客や地元住民が集まり、施設全体に混雑が生じやすい[RI9] 傾向があります。このため、イベント開催時には、観戦エリアや飲食店、トイレなどが混雑しやすく、利用者が快適に過ごせないという問題が予想されていました。

さらに[RI10] 、混雑が発生しても、リアルタイムで施設利用状況を把握する手段がないため、訪問者は空いているエリアを把握することができず、[RI11] 結果として特定の[RI12] エリアに人が集中する状況が発生すると予想されていました。このような状況は[RI13] 、来場者に不快感を与え、[RI14] 施設の利用頻度[RI15] の低下につながるリスクがあり、潜在的な経営課題とされて[RI16] いました。

さらに、スマートフォンを持っていない来場者やデジタル操作に不慣れな高齢者にとって、アプリを利用して混雑状況を把握すること[RI17] は困難であり、現地での混雑解消策が十分でないという点も課題として予期されていました。

施設運営側としても、混雑管理が不十分である場合、[RI18] スタッフの適切な配置が行えず[RI19] 、来場者への対応に遅れが生じ、[RI20] 運営[RI21] 全体の効率性が低下するという問題が予想されていました。特に、混雑予測に関するデータ[RI22] が不足していたため、イベント開催時のスタッフ配置計画が困難であり、突発的な対応が必要になるケースが想定されました。

これらの課題を解決するためには、リアルタイムでの混雑情報を収集し、利用者へ適切に提供することで、施設全体の流れを円滑化する仕組みが必要不可欠でした。

ジャパネットグループとVACANは、長崎スタジアムシティ内の混雑管理と快適な利用環境を実現するため、VACANのスマートソリューションを全面的に導入しました。これにより、観光客やイベント参加者が施設内で快適に過ごせるよう、IoT技術とデジタルサイネージを活用し、混雑情報をリアルタイムで提供する取り組みを推進しています。

まず、VACANが提供する「VACAN」というサービスを用いて、トイレやレストラン、観覧エリアなどの利用状況をリアルタイムで可視化しました。これにより、利用者はスマートフォンアプリを通じて、空席や混雑状況を一目で確認でき、最適な施設を選択することが可能となりました。

また、IoTセンサーを館内各所に設置し、施設内の人流を自動的にモニタリングすることで、混雑が予測されるエリアでは分散を促すメッセージを発信する仕組みも[RI23] 導入しました。これにより、特定エリアへの集中を避け、快適な観戦環境を確保できるよう工夫しています。

さらに、混雑情報はデジタルサイネージを通じて現地でも確認でき、スマートフォンを持っていない来場者にも情報を提供できるため、幅広い年齢層や観光客に対応したサービスが実現しています。

また、順番待ちのオンライン化も推進しており、設置場所にある[RI24] タブレットを操作したり、専用ページにアクセスすることで[RI25] デジタル整理券を発券し、その場に並ばずに順番待ちができるサービスも導入しました。これにより、メールアドレスやLINE等を登録することで、順番が近づいたらスマートフォンで通知を受け取ることができ、待っている時間を自由に過ごすことができます。またスピーカーを接続し、音声で呼び出すことも可能となっており、[RI26] 利用者の待つストレスや混雑発生を抑制することに成功しています。

この協業により、長崎スタジアムシティでは混雑緩和が実現し、観光客の回遊性の向上が期待されています。特に、スポーツイベント開催時において、観戦エリアや飲食店の混雑が大幅に解消され、快適な観戦環境が提供することが可能となります。また、観光客がスムーズに施設を利用できるようになったことで、滞在時間が延び、周辺商業施設での消費が増加する[RI27] 経済効果も期待されています。

こうした取り組みを通じて、長崎スタジアムシティはスマート観光のモデルケースとして、地域振興と観光活性化を同時に実現していくことが期待されています。

 

<参考資料>

  1. VACAN社公式HP:10月14日オープン長崎スタジアムシティの「待たせない」に貢献 混雑状況可視化サービスを包括提供

  2. VACAN社公式HP:ムダな「待つをなくす」サービス提供のバカン、資金調達を実施

  3. ※1参照:$=150円を想定

 

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