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提携事例8:日本の大手メーカー日本特殊陶業と

ドイツのスタートアップneoplas社の提携事例

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〜日本の日本特殊陶業が米ペガサスが運用するCVCファンドから戦略投資の実行、
投資後にneoplas社との業務提携に成功〜

低温プラズマ技術を活用した医療デバイス開発プロジェクトを共同実施

<概要>

日本特殊陶業株式会社とドイツのスタートアップであるneoplas med GmbH(ネオプラス)は、2022年に「低温プラズマ技術を活用した医療デバイス開発プロジェクト」の共同実施を開始しました。

本プロジェクト の主な目的は、創傷治癒を促進させ人々の生活の質を向上させることでした。

neoplas med GmbH(本社:ドイツ・グライフスヴァルト )は、ライプニッツ・プラズマ科学技術研究所からスピンオフして設立された医療機器メーカーです。 ​同社は、物理的な低温プラズマ(コールドプラズマ)を用いた高精度な医療技術の開発を通じて、患者の生活の質の向上を目指しています。

日本特殊陶業株式会社は1936年に設立された愛知県名古屋市に本社を置く総合セラミックスメーカーです。​同社は、スパークプラグやセンサなどの自動車用部品、半導体関連部品、医療機器、産業用セラミック部品など、多岐にわたる製品を製造・販売しています。2021年4月に新しい技術・ビジネスモデル・アイディアを取り入れ、既存事業の強化と新規事業を創出する ことを目的に、日本円で最大約150億円※1のファンドを組成し、オープンイノベーション活動を進めてきました。Pegasus Tech Venturesは2022年 にneoplasを日本特殊陶業に紹介し、2500万ドルの投資を実行するに至りました。同時に事業シナジーの検証をすすめ、低温プラズマ技術を活用した医療デバイス開発プロジェクトにおける協業を発表しました。

<具体的な課題と解決策>

慢性創傷は、世界中で約5,000万人が苦しんでいる深刻な医療課題です。糖尿病性潰瘍や褥瘡(床ずれ)など、治癒するまで[RI4] に時間がかかる[RI5] 傷が増加しており、特に高齢者を中心に医療負担が大きくなっています。これらの傷は治療が長引くことで感染リスクが高まり、特に多剤耐性菌が関与する場合には、抗生物質が効果を示さないケースもあり、医療従事者にとっても大きな課題となっています 。

また、従来の治療法では、長期間にわたる入院や外来通院が必要であり、患者の生活の質を大きく低下させるだけでなく、医療リソースの圧迫も[RI7] 招いています。特に、高齢者や慢性疾患を抱える患者にとっては 、頻繁な通院や医療機関での長時間滞在が日常生活に支障をきたし、精神的な負担の増加にもつながっています 。その結果 、治療を続けるモチベーションが低下し 、治癒の遅延を引き起こすという 悪循環が発生しているのが現状です。

日本特殊陶業とneoplasは、こうした 課題を解決するために、低温プラズマ技術を活用した創傷治療デバイス「kIN PEN」の共同開発を進めています 。低温プラズマ技術は、創傷部位に直接プラズマを照射することで、抗菌作用を発揮しながら 、治癒プロセスを促進する点が大きな特長です。特に、低温プラズマジェット技術を用いることで、副作用や耐性の発生なしに、治癒時間を最大50%短縮することが臨床研究で明らかになっています。

この技術は 、感染した創傷や慢性創傷に対して効果を発揮し、患者に対して ほぼ無痛で非常に効果的なソリューションを提供します 。治療中の痛みが少ないため、患者のストレスが 軽減され 、治療への積極的な参加を促進できるというメリットもあります。

また、neoplas のプラズマジェット療法は、欧州医療機器規制(MDR)の認証を取得した唯一のヨーロッパのメーカーとして、すでにコールドプラズマ療法のリーディングイノベーターとして認知され、その技術的信頼性も高く評価されています。

                                                                                                                        kINPen®MED製品

                                                                                                              ※日本特殊陶業HPより引用

今後、両者で共同開発をさらに進め、米国、ヨーロッパ、中東などの新市場への製品展開も[RI1] 視野に入れています。特に、慢性創傷治療市場が急成長している欧米を中心に、低温プラズマ技術を活用したデバイスを普及させ、グローバル市場でのプレゼンスを高めていく計画です。

   

<参考資料>

  1. 日本特殊陶業社 公式HP:日本特殊陶業 CVCファンドからドイツ・ヘルスケアスタートアップ企業neoplas med GmbH社へ出資のお知らせ

  2. Venture Lab Niterra Group 公式HP:Niterra Venturesカンパニー、neoplas med GmbHに1800万ドルを追加投資-創傷ケアの革新を目指す

  3. neoplas med GmbH公式HP

  4. ※1参照:$=150円を想定

 

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