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提携事例4: 米国最大の石油精製企業のMarathon社とスタートアップ Flyscan社 の戦略的提携

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〜米Pegasus社のアドバイザリー支援により、Marathon社がFlyscan社への直接出資に成功 〜

漏洩検知用ハードウェアおよびソフトウェアパッケージの共同開発​

 

<概要>

2023年、米国最大の石油精製業者かつ再生可能燃料の生産者である Marathon Petroleum Corporation(以下、Marathon社)は、Flyscan Systems (以下Flyscan社)と戦略的提携を結び、同社の炭化水素漏洩検知プラットフォームの開発および展開を支援しました。本取り組みの目的は、従来の手作業による点検手法と比較して大幅に高精度で漏洩を検出できるようにし、パイプラインの点検業務をより簡便にすることでした。

カナダはケベック州に本社を置く Flyscan社は、パイプラインの運用者が安全性と法令遵守を確保するための統合型ハードウェア・ソフトウェアパッケージを開発しています。このハードウェアは小型の商用航空機の機体下部に簡単に取り付けられ、パイプラインの全長を飛行しながら光学センサー群でデータを収集することが出来ます。その後、収集されたデータは同社のAIプラットフォームで解析され、漏洩の有無が判定されます。

Marathon 社は、新興技術の取り込みを推進する中で Pegasus Tech Ventures (ペガサス社)と連携し、初期段階の投資におけるデューデリジェンスや実行支援を依頼しました。また、社内各事業部門と連携し、日々の運用効率を高める技術の導入を模索しました。

 

 

<具体的な課題と解決策>

米国では現在、250万マイル(約400万km)以上の石油パイプラインが稼働しており、毎日何百万バレルもの石油製品が輸送されています。これに対して、米連邦政府はパイプラインの継続的な点検と記録保管を義務付ける規制を複数設けています。パイプラインの所有者および運用者は、各マイルに対して定期点検を実施し、追跡可能なデータ記録を保持し、必要に応じた修繕・保守のアクションプランを用意する義務があります。

さらに、人口密集地域におけるパイプライン漏洩は、大規模な環境・健康被害を引き起こし、運用企業の評判に大きな悪影響を与える可能性があります。

このように広範囲かつ厳しい規制下にある米国のパイプライン業界では、運用負担を軽減しつつ法令を遵守するための代替ソリューションが求められており、これが Marathon と Flyscan の提携の原動力となりました。両社は明確な戦略的整合性のもと、投資と提携の枠組みを構築し、Marathon が自社資産を活用して Flyscan の新たな検知システムの実証実験を支援しました。

この提携の一環として、Marathon は Flyscan システムの新機能であるメタン検知機能のハードウェア・ソフトウェア開発を支援しており、Flyscan の事業機会を大幅に拡大するとともに、Marathon の天然ガスパイプラインに新たな選択肢を提供しています。

Marathon は炭化水素に関する高度な知見と既存の監視ソリューションに関する知識を持っており、これにより Flyscan は漏洩検知領域における他のスタートアップと比べて競争優位性を得ることができました。

 

 

この提携を通じて、Marathon と Flyscan Systems は新たな漏洩検知技術を効果的に開発し、政府の規制遵守を継続しつつ、運用コストの削減も実現しました。

<References>

“Flyscan Systems Announces that Kinder Morgan Joins it’s Investor Group, alongside Marathon Petroleum, Enbridge, and Hatch.”

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